ムアッラカ聖堂(690-692年頃)

ムアッラカ聖堂(通称「ハンギングチャーチ、吊り下げられている教会」)の名は、それがローマの城塞の南門の上に建てられているためである。ヤシの丸太と石の層がローマの城塞の廃墟の上に建設され、基礎として使われている。聖堂はユニークなもので、箱舟型の木の屋根を有しており、おそらく690年-692年頃に建設されたと考えられる。7世紀から13世紀まで、この聖堂はコプトの大主教の居所としての役割を果たしており、大主教の選出や宗教的な祭儀などが行われていた。

この聖堂はバシリカ様式で建設されている。興味深いのは、木でできた丸天井屋根と、身廊と側廊を分けている白い大理石の列柱(うち一つは黒い玄武岩の柱)である。身廊の床にある水槽は、現在では板張りされているが、以前は洗足木曜日やペテロとパウロの祝祭における洗足の儀礼のために使われていた。大理石の説教台は11世紀に由来するものである。中央の至聖所のイコノスタシス(聖障)は、象牙が象眼細工ではめ込まれた黒檀で作られているが、12世紀あるいは13世紀のものである。イコノスタシスの上部には七つの大きなイコンが飾られている。祭壇は聖母マリアに捧げられたものである。

聖堂には三つの至聖所があり、中央の聖母マリアに、北側のものは聖ゲオルギオスに、南側のものは洗礼者ヨハネに捧げられている。北の至聖所のイコノスタシスは、象牙や黒檀で作られた十字架を伴う方形のデザインとなっており、イコノスタシスの上には聖セオルギオスの殉教の諸シーンを表した17のイコンが飾られている。南の至聖所のイコノスタシスは十字型のパターンで、13世紀のものである。イコノスタシスの上部には7つの小さなイコンがあり、洗礼者ヨハネの生涯の様々な時期を表現している。これらのすべてのイコンはアルメニア人の芸術家オルハン・カラベディアンの作品である。

図面
  • 1-至聖所
  • 2-身廊
  • 3-側廊
  • 4-ナルテクス
  • 5-聖マルコス小聖堂