資料の概要

2014年度の大学共同利用機関法人・人間文化研究機構(NIHU)による人間文化研究連携事業 「エジプトを中心としたキリスト教関連建築に関わる画像のデータベース化」(研究代表:桜井啓子)では、イスラーム考古学研究所(所長:川床睦夫)の協力を得て、上記の日本調査隊が撮影した写真の中からエジプトのキリスト教関連建造物28件703点の写真を取り上げて紹介することにいたしました。

早稲田大学イスラーム地域研究機構においては、既にカイロのイスラーム建造物データベース(http://mosque-cairo.w-ias.jp/)、およびフスタート遺物データベース(http://fustat.w-ias.jp/)の構築・公開を行っており、エジプトにおけるイスラーム文化やイスラーム時代エジプトの物質文化にビジュアルとして触れることができるようになっています。それらに加えて、エジプトにおけるもう一つの主要な宗教として現在まで続いているキリスト教文化を知ることは、広義の「イスラーム世界」を知るためには欠かすことのできないものであり、本事業はそのような観点から行われました。

写真の撮影年は1981年から2014年までの約30年に及んでおります。画像の保存媒体の多くがカラーポジであったため、この事業でデジタル化作業を推進しました。また、エジプト革命直前の2010年にもデジタルカメラでの撮影を行いました。これらの写真を骨子として、この間に撮影された画像資料を通じて、イスラームだけでなく、イスラーム以前から現代に至るコプトや東方正教会などのキリスト教に関わるエジプトの物質文化理解の一助として役立てていただけることを期待いたします。

また、本ウェブサイトに掲載したエジプトにおけるキリスト教関連建造物の写真は、1978年から2009年にかけて実施された日本発掘地調査隊の関係者らによって撮影されました。諸権利関係に関しては、データベースの使用権は早稲田大学イスラーム地域研究機構が、写真の所有権はイスラーム考古学研究所川床睦夫所長が所有しております。また、建造物の歴史的説明文および図面に関しては、著者の許諾・監修のもと、三宅理一・平剛著『砂の楽園コプトの僧院』(TOTO出版1996年)の記載に基づき、亀谷学、阪本侑己が作成しました。その際、著者の許諾を得て、用語統一のため記述の一部を改編いたしました。また、写真に関しては、外観から内観へ、全体から細部へというように深見奈緒子が写真の選択および監修を担当いたしました。引用、使用の際は上記の許可を得ていただき、無断転載は固く禁じさせていただきます。